甘木鉄道は、昭和14年(1939年)に陸軍大刀洗飛行場の軍需用輸送として開通し、昭和61年(1986年)3月まで国鉄甘木線として運行されていました。国鉄時代は主に貨物輸送として運行されていましたが、国鉄再建法に基づく第1次特定地域交通線(いわゆる赤字ローカル線)に指定され、廃止対象として選定されました。
その後、沿線自治体や地域住民の方々の「甘木鉄道」残そうという熱い情熱と果敢な行動により、昭和61年(1986年)に第三セクター方式の鉄道会社(地方公共団体と民間企業との共同出資によって設立された鉄道会社)として運行を開始しました。甘木鉄道は、福岡都市圏に比較的近いこともあり、沿線市町村の支援を受けて、新駅の開業(7駅→11駅)や行き違い設備を整備し、運行本数を増加させるなどダイヤの改善を行ってきたことなどにより、生活路線として定着していますが、沿線人口の減少や少子高齢化の影響、モータリゼーションの進展(自動車社会の進行)など社会構造の変化の影響により、通勤・通学利用者は年々減少しています。
甘木鉄道は、平成28年(2016年)に開業30周年を迎えましたが、今後とも、沿線地域の皆様を始め関係団体のご支援のもと、「地域と共に生きる鉄道」として、走り続けます。
引き続き、皆様のあたたかい支援をよろしくお願いします。
※開業30年記念リーフレットより(一部加筆)
1939年4月 (昭和14年) |
■基山(鹿児島本線)~甘木間が全線開通 |
陸軍大刀洗飛行場の軍需輸送(兵員・物資輸送など)の目的で建設される。当時、周辺には朝倉軌道(二日市~甘木~杷木)、両筑軌道(田主丸~甘木~秋月)、中央軌道(新町(甘木)~航空隊前~小郡~上田代)という3つの軌道が走っていたが、すべて廃止されている。 |
1966年 (昭和41年) |
■飛行場跡地にキリンビール福岡工場が立地 |
太刀洗に工場専用線が敷設され、甘木線はビールの原料・製品輸送として活用される。その後、輸送の効率化のため、1980年代に順次トラック輸送に切り替えられ、1984年(昭和59年)には貨物取り扱いがなくなった。 |
1981年9月 (昭和56年) |
■甘木線が国鉄再建法に基づく第1次特定地域交通線に選定 |
特定地域交通線とは、いわゆる赤字ローカル線のことで、このうち第1次は、営業キロが短い行き止まり線でかつ、旅客輸送密度が少ない(営業キロが30km以下は2,000人/日未満、営業キロが50km以下は、500人/日未満)が選定対象となり、1982年(昭和57年)度末までに廃止することとして、廃止承認された路線であり、甘木線も廃止対象として選定された。 |
1982年9月 (昭和57年) |
■第1回特定地方線対策会議が開催 |
甘木線は、旅客輸送密度も少なく、鉄道経営は厳しいと見られていたため、バス転換の空気も濃厚となっていた。 |
1985年4月 (昭和60年) |
■第9回協議会において、第三セクターによる鉄道運営を行うことで合意 |
1985年9月 (昭和60年) |
■甘木鉄道株式会社を設立 |
1985年9月 (昭和60年) |
■第11回協議会において、代替輸送業者は甘木鉄道株式会社と決定 |
転換日は、昭和61年4月1日とすることが決定された。 |
1986年4月 (昭和61年) |
甘木鉄道営業開始 |
1987年11月 (昭和62年) |
立野駅、大板井駅、山隈駅開業(合計10駅になる) |
1988年2月 (昭和63年) |
JR基山駅の改築により甘木鉄道基山駅分離 |
1996年4月 (平成8年) |
開業10周年 |
1997年11月 (平成9年) |
検修庫を増設 |
1998年4月 (平成10年) |
公募により、マスコットキャラクター「レビット君」を命名 |
2001年4月(平成13年) |
開業15周年 |
2002年12月 (平成14年) |
今隈駅開業(合計で11駅になる) 行き違い設備新設「大原信号所・太刀洗駅」 |
2003年12月 (平成15年) |
大板井駅が高架駅になって営業開始 |
2006年4月 (平成18年) |
開業20周年 |
2006年7月 (平成18年) |
大雨により宝満川橋梁が被災(7/5~12/19代替バスに運行) |
2011年4月 (平成23年) |
開業25周年 |
2016年4月 (平成28年) |
開業30周年 |
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